リースティの中川裕介です。 先月から話題になっている大阪高裁で行われた京都の更新料裁判の関係もあり、京都の視察を兼ね京の町を廻ってきました。 久しぶりの観光は実に興味深く、以前は見過ごしていた古い建物の構造や由来、当時の匠の業(ワザ)のすばらしさを堪能してきました。 また、景観保全地区を歩き、古都京都の雰囲気を味わいつつこれだけの町並みの保存には大変な努力の賜物であったのだろうと感心することしきりでした。 もちろん折角の京都ですから、京料理を老舗でいただいてまいりました。


更新料裁判の行方《2回目》

本年8月27日の大阪高等裁判所での『更新料の契約条項は消費者の利益を一方的に害しており、消費者法に照らして無効』とされた裁判後、業界各所やオーナー側借主側で様々な話や対応が出ていますので、再度内容の確認と対応および今後について解説します。

さて今回の裁判は1審の京都地裁判決を覆し借主側勝訴とし更新料支払が無効であると決定した点が話題を呼んでいます。
現実の裁判対象賃貸借契約をまとめると、以下のようになっています。
契約期間1年間(以後1年更新)
家賃45,000円
礼金60,000円
更新料100,000円
敷金100,000円

特に注目すべきは、賃貸人側の主張する更新料の法的性質についてほとんど認めない部分です。今回の京都賃貸借契約が関東方式と異なっているのは1年契約で更新時に10万円の更新料が必要であり、月額賃料4万5千円であるところ、年間支払が14.2ヶ月分あるという点で実質賃料が53,333円となるため、関東方式の2年で1ヶ月分の更新料と比較してもかなり割高感があります。このような実質賃料額についても裁判で言及していることも重要です。

本件訴訟問題は、最高裁への上告を予定しているため未だ係争中の案件であるため、勝手な憶測で判断はできませんが、既に管理会社に対して契約中の入居者から、「今後更新料支払は無くなるのか?」という問合せが増えています。またオーナーからも『今後は賃貸借契約の仕組みや法規は変わっていくのか?』という問合せもあります。 
 現時点で申し上げられるのは、前述の通り京都更新料訴訟は係争中であり、最高裁の判決が下されるまでは現在の契約が有効か無効かの判断はできません。 そして関西と関東の仕組み慣習の違いもあるため、最終的には関東で同種の裁判が起き判決が借主勝訴となるまでは、なんとも言えないということです。
 
 しかし、それまで全く何もせず待たずに対応策を打っていくべきです。
現時点での有効な対策といわれているのが、
1)賃貸借契約を全て定期借家契約にする。
2)募集・重要事項説明・契約書全てに消費者契約法の内容を満たす説明を付け、説明後に賃借人に署名押印をいただく。
という2つの項目ですが、ほかにもいくつかの案があり、実際の法務と照らし合わせて実行されていくでしょう。今後も新情報をお伝えいたします。