今回は建物の扉に当たり前のように付いている「錠前」の話をしてみたいと思います。

時々お客様から、「玄関のカギの調子が悪いので見てもらいたい」というお電話を頂きます。
概算の見積金額を伝える為に、「現状でどのように調子が悪いのですか?」という質問をお客様にすると、

お客様:「今まで使っていたカギを差し込んで回しているんだけど、急にカギが開かなくなっちゃたのよ。出かける時は普通にかかったのに…」
鍵屋 :「と言うことは、鍵が空回りしているような感じですか!?」
お客様:「そうね、そう言われればカギがクルクルと空回りしている気がするわね。いつもは半分ぐらい回転させると、カチッて音がしてカギが開いてたもの。」
鍵屋 :「なるほど、そういう事ですと恐らく錠前自体の故障が考えられますので、解錠した後に錠前の交換をしなければならないと思います。金額的には*****円位はかかると思います・・・」

などといった会話をする訳ですが、ここでお客様が言っている「カギ」という用語は、次の2つの意味で使われているのです。持ち歩いている「鍵(KEY)」と、扉に付いている「錠(LOCK)」。つまり一般的には「カギ」とは、鍵と錠のどちらをも指す用語として使われているのです。
しかし「鍵」や「錠」に関する仕事に従事する私達の業界では、その2つの用語を次のように定義しています。
①錠・ロック(LOCK)
戸や機器に取付けられ、基本的に、実際に締りをする機能(締り機構)と、操作する者にその資格があるか否かを判断する機構(施解錠機構、鎖錠機構ともいう)をともに持つ機器をいう。
②鍵・キー(KEY)
錠にその錠を操作する資格があることを伝え、錠の締り機構を操作するツール。

私達の身の回りには多くの錠が存在していますが、最も代表的なシリンダー錠をはじめ、カード方式の錠、暗証番号で開けるテンキー錠、また最近では指紋や静脈を識別する生体認証方式の錠など、錠と鍵を取り巻く環境も大きく変化し、多種多様な製品が出回るようになってきました。次回はそれらの錠について触れてみたいと思います。 

冒頭のお客様と鍵屋の会話も、それはそれで意味が通じていれば何も問題はありませんが、上記の定義に当てはめれば次のようなやり取りになります。
お客様:「今まで使っていた鍵を差し込んで回しているんだけど、急に錠が開かなくなっちゃたのよ。出かける時は普通にかかったのに…」
鍵屋 :「と言うことは、鍵が空回りしているような感じですか!?」
お客様:「そうね、そう言われれば鍵がクルクルと空回りしている気がするわね。いつもは半分ぐらい回転させると、カチッて音がして錠が開いてたもの。」
鍵屋 :「なるほど、そういう事ですと恐らく錠前自体の故障が考えられますので、解錠した後に錠前の交換をしなければならないと思います。金額的には*****円位はかかると思います・・・」