今回もシリンダー錠についてお話したいと思います。

前回で「シリンダー錠はありとあらゆる場所で使用されている」という事をお話しましたが、私達の身の回りで一番重要な使用箇所と言うと、もちろん「住宅の玄関」でしょう。ご自身、ご家族の財産や安全を守るために、外出時はもちろん在宅時にも鍵をかけている方が多いと思います。20年以上前であれば、「ちょっとそこまで買い物に行くのにいちいち鍵なんかかけなくても平気だった」時代も確かにありましたが…

現在、住宅玄関に使用されている錠のほとんどがシリンダー錠ですが、前回ご紹介した代表的なシリンダー錠の中でも最も多く使われていたのが「ディスクシリンダー錠」です。これは日本の高度成長期に団地をはじめとした集合住宅が数多く造られましたが、その際ディスクシリンダー錠は安価で故障が少なく耐久性も優れていたため、公団を中心に多くの住宅で採用されたためです。また集合住宅に限らず戸建住宅用のサッシ扉にも多数使用されました。もちろん主製造元のMIWA社が商売上手だったこともありますが…。その様な事で一時は6000万個以上のディスクシリンダー錠が使用されていたと推測されています。外見上の特徴は、鍵を持つと両側にギザギザとした刻みがあり、鍵穴の向きが縦になっていることです。しかし4~5年前のピッキング騒動時に、「一番被害に遭いやすい危ない鍵」ということで世に知られるようになり、メーカーの鍵違い数が限界に来たこともあり現在は製造中止となっています。

その「ディスクシリンダー錠」の後継モデルが「ロータリーディスクシリンダー錠」です。こちらは適合する鍵を挿し込まないと解除されないロッキングバーを組み込み、内部構造をより複雑にする事でピッキングに対する耐久力を向上させた製品です。外見上の特徴は、鍵を持つと両側にギザギザとした刻みがある点はディスクシリンダーと一緒ですが、鍵穴の向きが横になっているので区別できます。実はピッキングが騒がれる以前から製造されていましたが、2001年以前に製造されたモデルは鍵穴の破壊に対する強度が弱く、丈夫なマイナスドライバー等で破壊開錠されてしまう恐れがありました。しかしそれ以降に製造されている現行モデルでは、数度の改良により鍵穴周りの強度をアップさせたので安心して使用できるレベルになりました。また鍵がリバーシブルになってより使いやすいタイプも製造されています。MIWA社の製造しているほとんどの錠に対応しており価格も比較的リーズナブルですので、まだディスクシリンダー錠をお使いの方は最低でもロータリーディスクシリンダー錠(商品名:U9、UR等)に交換される事をお勧めいたします。

次回はピンシリンダー錠についてお話したいと思います。